【ソフトウェアの受託開発】請負契約のメリット・デメリットと受託先選定のポイント

【ソフトウェアの受託開発】請負契約のメリット・デメリットをチェック!受託先の選び方は?

企業のシステム開発の効率化や人材不足への対応などにより、ソフトウェア開発プロジェクトの受託が増えています。受託開発にはメリット・デメリットがありますので、事前に確認しておきましょう。

こちらでは、ソフトウェアの受託開発における請負契約のメリット・デメリット、適切な受託先の選定ポイントについてご紹介します。

ソフトウェアの受託開発-請負契約とは?

請負契約というのは、簡単に言うと「発注者が『こんなものを作りたい』と依頼して、受注者がそれを"完成"させる」という約束のことです。

例えば、家を建てる場合、あなたが「3階建ての一軒家」と依頼し、建築会社がそれを建てる、という契約が請負契約になります。

システム開発でも、請負契約はよく利用されます。「こんな機能を持ったシステムを作ってほしい」と依頼し、開発会社がそれを完成させる、という流れです。

請負契約のポイント

  • 完成品が決まっている:「3階建ての一軒家」のように、完成品が具体的に決まっていることが特徴
  • 報酬が決まっている:完成品に対して、あらかじめ報酬が決まっている
  • 責任の所在が明確:完成品の品質や納期については、請負人が責任を持つ

請負契約は、完成品が明確で、責任の所在がはっきりしているため、安心してシステム開発を任せられるというメリットがあります。一方で、柔軟性に欠けるというデメリットもあります。

請負契約のメリット

請負契約のメリット

成果物の責任が明確

請負契約では、発注者が要件定義を行い、受託側がそれに基づいて成果物を作成します。そのため、成果物に不具合があった場合、受託側に責任が発生することになります。

請負契約では受託側の責任が重くなりますが、その分、受託側は品質管理や工程管理に細心の注意を払うことになり、発注者側からすれば良質な成果物が期待できるというメリットがあります。

コスト削減効果

請負開発の最大のメリットは、開発コストの削減が図れる点にあります。

受託開発会社は複数の案件を同時に進行させるため、開発リソースを効率的に活用できます。また、海外の開発者を活用する場合、人件費が安価になるなど、コストメリットが生まれます。

一方、自社内で開発を行う場合は、以下のようなコストがかさみます。

  • 人件費
  • 設備投資費
  • 開発環境構築費
  • 研修費
  • 管理費

など

請負開発では、こうしたコストがかからず、成果物の対価のみ支払えばよいためコストを大幅に抑えられるのです。

専門性の活用

ソフトウェアの受託開発では、高い専門性を持つ受託企業の技術力を活用できます。受託企業は長年の実績から最新の技術動向に精通しており、お客様の要件に合わせて最適な開発手法を提案することができます。

例えば、以下のような専門分野において受託企業の知見を活用できます。

  • Webシステム開発
  • モバイルアプリ開発
  • データ分析システム構築
  • AI・IoT関連システム開発

このように、特定の技術領域に長けた受託企業と協業することで、高い品質と生産性を実現できます。

工数の見積もりが不要

請負契約では、発注側は開発に必要な工数を見積もる必要がありません。受注側が成果物を納品するまでの作業工程を一手に引き受けるため、発注側の負担が大幅に軽減されます。

例えば、次のようなメリットがあります。

  • 自社の技術者の稼働状況を気にする必要がない
  • プロジェクト管理に係る人件費が不要
  • 開発環境の用意が不要

つまり、発注側は成果物のみに注力できるのが大きな利点です。ただし、請負契約には別のデメリットもあるため、発注時に十分に検討する必要があります。

請負契約のデメリット

請負契約のデメリット

品質管理の課題

ソフトウェア開発の受託においては、発注元企業と受託企業の間で品質に関する認識のズレが生じる可能性があります。

受託企業が発注元の意図を正しく汲み取れていない場合があり、その結果、成果物の質が要求を満たせないおそれがあります。

そのため、発注時の要件定義を徹底し、双方で認識を合わせることが重要です。また、開発の各フェーズで品質を確認し、課題があれば早期に解決するプロセスを構築する必要があります。

さらに、受託企業の品質管理体制や実績を確認し、信頼できるパートナーを選ぶことが求められます。

情報漏洩リスク

ソフトウェア開発を外部に委託する際の大きなリスクとして、機密情報の漏洩が挙げられます。自社の重要な情報や知的財産を、外部の開発者に開示せざるを得なくなるためです。

外部の開発者に機密情報を開示する際の対策として、以下のようなことが重要になります。

  • 機密保持契約の締結
  • 開発者の入退室管理
  • 開発環境のセキュリティ対策

機密情報の管理体制を整備し、情報漏洩のリスクを最小限に抑える必要があります。

コミュニケーションの難しさ

請負開発では、双方のコミュニケーションが不足すると、様々な課題が生じる可能性があります。

例えば、以下のようなリスクが考えられます。

  • 要件の伝達ミス
  • 進捗状況の確認不足
  • 仕様変更への柔軟な対応不足

そのため、受託開発企業とは以下のようなコミュニケーション体制を整備することが重要です。

  • 定期的な進捗報告会の実施
  • 仕様変更時の迅速な調整
  • オンラインツールの積極活用

双方で認識の相違がないよう、適切なコミュニケーションを心がける必要があります。

受託先選定のポイント

実績と信頼性の確認

受託開発を依頼する際、何よりも重視すべきは受託先企業の実績と信頼性の確認です。可能であれば過去に携わったプロジェクトの内容や規模、納期の遵守状況などを確認しましょう。

例えば、下記のような項目を事前にリストアップし、受託先企業にヒアリングするのがよいでしょう。

  • 同規模案件の受託実績
  • プロジェクト管理体制
  • 開発プロセスの標準化状況
  • 開発実績のあるプログラミング言語

など

信頼できる受託先を選定することで、プロジェクトを円滑に進め、高品質な成果物を得られる可能性が高まります。受託先選定は慎重に行う必要があります。

開発プロセスや品質管理体制

ソフトウェア開発の受託を検討する際、受託先企業の開発プロセスや品質管理体制を確認することが重要です。

開発プロセスとは、要件定義からテスト、リリースに至るまでの一連の作業工程のことです。品質管理体制とは、バグの発生防止や早期発見、リスク管理など、製品の品質を保証するための体制のことです。

具体的には以下のような点に注目するとよいでしょう。

  • 開発手法(ウォーターフォール・アジャイルなど)
  • プロジェクト管理体制
  • テスト体制(テストの種類、自動テストなど)
  • 進捗・品質管理ツール
  • セキュリティ対策

開発プロセスや品質管理体制が適切に設計・運用されていれば、受託先企業の技術力の高さが伺えます。

コミュニケーション体制

請負契約においては、発注者と受託者の綿密なコミュニケーションが不可欠です。適切なコミュニケーションを図るには、以下の点に留意することが重要です。

  • 定期的な進捗報告会の実施
  • 問題発生時の迅速な報告と対応
  • 仕様変更時の協議と合意形成

また、コミュニケーションツールの活用も効果的です。

ツール例 用途
Web会議システム リモートでのミーティング
チャットツール 日常的な連絡・質問
ファイル共有サービス 資料の共有と確認

このようにコミュニケーション体制を整備し、お互いの認識のずれを最小限に抑えることが重要です。

成功するソフトウェア開発受託の秘訣:依頼前に知っておくべきポイント

ソフトウェア開発を外部に委託する場合、事前の準備が成功の鍵を握ります。依頼前に確認すべきポイントは以下のとおりです。

要件定義

開発したいソフトウェアの機能や性能、デザイン等を明確に定義しましょう。後々のトラブル防止につながります。

開発規模と予算

開発規模を明確化し、予算をあらかじめ設定することで適切な受託先を選定できます。

納期

現実的な納期を設定し、受託先と綿密に協議しましょう。

契約内容の確認

契約内容をしっかりと確認し、不明点は解消しておきましょう。

これらのポイントを事前に確認することで開発の成功率を高め、スムーズなプロジェクト進行を実現できます。

ソフトウェア開発受託:請負契約終了時の確認ポイント

請負契約とは、民法の規定する「請負」にもとづく契約です。請負契約終了とは、完成した「成果物」を納めることを指します。

関連情報:請負契約の定義と特徴

契約終了時の確認ポイントとしては、以下3点です。

成果物の検収基準の明確化

事前に成果物の評価基準を明確に定義し、契約書に明記しておくことが重要です。具体的な項目として、機能、性能、セキュリティ、デザイン、操作性などを盛り込み、客観的な評価ができるようにしましょう。

知的財産権の帰属の確認

開発したソフトウェアの著作権や特許権など、知的財産権の帰属を明確に契約書に記載しておくことが重要です。特に、受託開発の場合、開発したソフトウェアの所有権が委託元に帰属するのか、受託者に帰属するのか、明確な取り決めが必要です。

保守・運用体制の確認

開発が完了した後も、ソフトウェアの安定稼働を維持するために、保守・運用体制の確認が重要です。契約期間や費用、対応範囲などを明確にし、必要に応じて保守契約の締結もご検討ください。

ソフトウェア開発の請負契約で失敗しない!注目すべき実績チェックポイント5選

業務効率化を目指して、ソフトウェア開発を外注しようと考えている中小企業の経営者の方へ。受託先選定のポイントにも多くの選択肢がある中で、信頼できる受託企業を選ぶのは簡単ではありません。

そこで、企業選定時に“特に”注目すべき5つの実績確認ポイントをお届けします。

□同じ業種でのプロジェクト経験があるか?

□実績の詳細をどれだけ開示してくれるか?

□プロジェクト管理能力は?

□開発後のサポート体制はどうなっているか?

□チームのコミュニケーション能力は十分か?

1)同じ業種でのプロジェクト経験があるか?

受託企業があなたの業種でのプロジェクト経験を持っているか、注目してみましょう。

例えば、小売業の業務効率化システムを求めているのに、開発企業が製造業の実績しかないとなると、業界特有の課題について意思疎通が困難な可能性があります。同じ業界や似た特徴を持つプロジェクトの経験があるか具体的に確認しましょう。

2)実績の詳細をどれだけ開示してくれるか?

単に「○○件のプロジェクト経験あり」と書かれているだけでなく、詳細を聞いてみてください。

  • 実際にどのような成果を生み出したのか
  • そのシステムがクライアント企業の業務にどのように貢献したのか

など

例えば「業務処理時間を50%短縮させた」というような具体的な成果を示してくれる企業は信頼できます。

3)プロジェクト管理能力は?

開発にはスケジュール・予算・リソース管理が不可欠です。過去のプロジェクトで、納期を守り、予算内で収めた実績があるかを確認しましょう。さらに、進捗管理や問題発生時の迅速な対処力がどの程度あるかも重要です。このあたりは、過去のクライアントのフィードバックや実績資料を通じて評価できます。

4)開発後のサポート体制はどうなっているか?

開発されたシステムは導入後も改良やトラブル対応が必要になる可能性が考えられます。そこで、受託企業がどのようなサポート体制を用意しているのか確認しておきましょう。例えば、修正依頼や追加機能の相談に柔軟に応じてくれるか、継続的な関係を築ける企業なのかを見極めることが重要です。

5)チームのコミュニケーション能力は十分か?

意外と見落とされがちですが、プロジェクト成功の鍵を握るのは「コミュニケーション能力」です。

開発チームがこちらの要望を適切に理解し、進行中も透明性のある報告をしてくれるかがプロジェクトのスムーズな進行に大きく影響します。特に中小企業の場合、限られたリソースの中で明確な意思疎通は非常に重要です。面談時や事前のやり取りで、相手の対応力を見極めましょう。

ソフトウェア開発の課題を解決!合同会社F-Stepsが叶えるワンストップ受託開発

ソフトウェアの開発にあたり、内製か外注かで迷っている企業は多いでしょう。

合同会社F-Stepsは、横浜エリアにてシステムやソフトウェアの受託開発を行っております。システム導入の検討段階から運用まで、トータルサポートいたします。

合同会社F-Stepsを選ぶ3つの理由

豊富な実績と高い技術力

これまで、幅広い業種のお客様のシステム開発を成功させてきました。豊富な経験と確かな技術力で、お客様の課題解決を支援いたします。

きめ細やかなサポート

お客様のニーズを丁寧にヒアリングし、最適なシステムをご提案いたします。開発から運用まで一貫してサポートいたしますので、安心してご利用いただけます。

お客様目線の提案

単にシステムを開発するだけでなく、お客様の業務課題を解決し、業務効率化を実現できるシステムをご提案いたします。

ソフトウェア開発でお困りのことがございましたら、合同会社F-Stepsまでお気軽にご相談ください。お客様のご要望に合わせた最適なソリューションをご提案いたします。

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〒220-8120

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電話番号

045-277-3786

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代表者名 丸山 純史

お客様のビジネスや現場のニーズに最適なソリューションを提供することを最も大切にし、丁寧な対話と現状分析、検証、評価に基づいてシステムを開発してまいります。「こんなことで困っている」「こんな風にできるだろうか」など、どのようなことでも気軽にご相談、ご依頼いただけます。

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